2013/06/28

SMALLVILLE 1x05『Cool』


レックス先輩、お願いですから上目遣いヤめてください。
ドキドキが止まりません。



夜の湖畔で催されたパーティに来たクラークは、寒空の下で更に密着度の増すラナとホイットニーを目撃してしょんぼりし、男子高生ショーンにナンパされて、普段とは違う乙女な表情のクロエに複雑な気持ちになる。

クロエをナンパしたショーンは、氷の張った湖にキャッチボールで取り損ねたボールを取りに行った際、氷に亀裂が入り、氷水の中に落ちてしまうも、ナンパ常習犯だったため、どうせナンパ中だろと誰にも心配してもらえず、誰にも救助してもらえぬまま、氷水の中で一夜を過ごす。いろんな意味で寒いショーン。

翌朝、何とか湖から這い上がったショーンだが、全身から血の気が引いており、酷く凍えている。焚き火の残り火で身体を温めると、途端に血色が復活。一方の焚き火はショーンから熱気を奪われ、凍てついている。湖底に大量の隕石があった湖に落ちたショーン、身体に何らかの異変が起きた模様。

アメフト命のホイットニーは、こともあろうにラナとの展覧会デートをすっぽかして、アメフト部員と約束をしてしまった。

クラークとラナの恋のキューピッドであるレックスは、クラークにレディオヘッドのライブチケットを2枚手配してやり、傷心ラナをデートに誘えと背中を押す。

勇気100倍振り絞って「友達として」ラナをデートに誘うことに成功して、喜びのあまり、耳から耳までつながっちゃうくらい笑顔になるクラーク。目を細めてクラークの幸せを喜ぶレックス。初期のクラーク×レックスは本当和む和む。

身体を温めるには人肌が一番だと気付いたショーンは、ナンパした女子高生の唇から根こそぎ体温を奪って殺すと、今度はターゲットをクロエに絞る。ナンパ男と人肌。分かりやすく、いやらしい。

一方。ラナとの念願の初デートにワクワククラーク。
Clark: Hello, citizens.
Martha: I'm not familiar with this child. Where's the moody one, lives upstairs, runs real fast?
クラークが大好きだからこそクラークの恋路を応援したいクロエは、わざわざクラークを訪れると、勝負服に青のシャツを選んであげる。(青と言えばスーパーマンのイメージカラー) なんて甲斐甲斐しい子なのだ。

そんな甲斐甲斐しい子クロエは電話でショーンからデートに誘われる。「クラークが頑張ってるもん、私も頑張る」と健気かつ乙女な笑みを見せるクロエ。ショーンのナンパぶりをさんざ目にしているクラークは正直複雑。

恋のキューピッドことレックス先輩が手配してくれた高級車ストレッチリムジンで、ライブ会場に向かうクラークとラナ。カフェで本を読むラナを見掛けていたクラークは「悲しい事があると君はいつも本に没頭するね」と話を切りだし、「僕は天体観測(を口実に君を眺めること)だけど」と話す。「あなたはいつも私の気持ちが分かるのね」と無自覚ファム・ファタールな瞳で見つめかえすラナに、「魔法だよ」と微笑むクラーク。良いムード。

クラークはラナを和ませようと、トランプを切るとラナにカードを1枚引かせ、透視能力でラナのカードを言いあてる。カードを手渡すラナと、受け取るクラークの手が触れあう。友達以上の何かを感じ取った二人。

空気を変えようと、ラナが車内のテレビをつけると、学校でショーンにナンパされていた女子高生の、変死体発見のニュースが流れる。クロエの身に危険が及んでいると察知したクラークは、ラナにドタキャンを詫び、人通りの多いカフェなら安全地帯だとラナを送り届け、クロエとショーンのデート現場である高校に向かう。

クラークのおかげで、辛くもショーンの魔の手から脱出したクロエ。クラークは「人殺しをする前のショーンであったとしても、君はもったいない」と励ます。あの顔、あの声、あの性格のクラークが言うとちっともキザじゃない。クラークをヘタに真似したら、火傷だけではすまされない。

クロエは早速、事件の手掛かりを調べる。脳内の熱を感じる細胞が損傷したショーンは、体温が保持できなくなったため、熱を補給するために、他人の体温を奪っているのだと推察する。しかしながら、その熱の充電はすぐに切れてしまうため、次々に人を襲わねばならない状況に陥っていると推測。

クロエはクラークに「あなたのデートを邪魔するために、わざと災難に巻き込まれた訳じゃないのよ」と釈明。かわいいなぁクロエ。

その頃、カフェで、ひとり待ちぼうけなラナ。女友達と偶然通りかかったピートに「大事な用事ができたみたいなの」と肩を落とすと、ピートが「クラークに、君より大事なことなんかあるもんか」とナイスフォロー。はっと息をのむラナ。

カフェにやってきたホイットニーは、おめかししたラナを怪訝に思う。ラナはホイットニーの前で「カフェの前で待たせてある高級車にお友達と乗っていかない?」とピートに声を掛ける。これってワザとよね。当然「高級車ってだれと」と尋ねるホイットニー。質問には答えず「帰るから送って」とラナ。クール。

車中、重苦しい二人の空気をぶっ壊すかのように、走行する車の前にショーンが立ちふさがる。慌ててハンドルを切ったホイットニー。車は木に激突。ラナが脚を負傷してしまう。都合よく目の前にレックスの屋敷が。助けをもとめて屋敷に向かうホイットニーとラナ。

レックス御殿。火の車なケント農場の財政を心配したレックスが、財政支援を提案しようとケント夫妻を屋敷に招待していた。心からケント家を案じるレックスだが、これまで幾度となくレックスの父ライオネルに裏切られてきたジョナサンは、レックスの親切心を純粋に受けとることができない。

クロエの無事を見届け、カフェに急行したクラークだが、ラナの姿が見当たらない。クラークは方々を必死に探し回る。途中、損傷したホイットニーの車を見つけ、車内を確認しようとした瞬間、ショーンに急襲され、クラークは体温を根こそぎ奪われ氷結してしまう。

屋敷にやってきたホイットニーとラナからショーンの一件を聞いたレックスは、まずはラナに「デート残念だったな」と告げて、やんわりじんわりとホイットニーを撃沈すると、警備を強化させ「ことが片付くまで屋敷内に居るように」とケント夫妻、ラナとホイットニーに言い渡す。

熱を求めて三千里のショーンは、スモールヴィルの発電機から熱を奪って、街の電力供給をダウンさせると、今度はレックス御殿の自家発電機を襲う。

レックス御殿。突如明かりが点滅し始めた。ショーンの仕業に違いないと、マーサはレックスの制止を無視し、自家発電機の元へ向かう。そこにはショーンが。万事休すと思いきや、解凍したクラークが駆け付け、マーサを逃がす。

病院へ行こうと説得するクラークの言葉に、全く耳を貸さないショーンは、クラークを再び襲うと「お前の体温は最高なんだ」と恍惚状態に。全般的に感情表現がエロいショーン。「お前もママもパパも、そしてラナも殺してやる」と興奮に身悶えするショーンの言葉が、クラークの逆鱗に触れる。怒りの鉄拳クラークはショーンを近くの池に突き飛ばす。ショーン落下後、またたくまに凍りだす池。ショーンは暴走の果てに自らを自らで生け捕りにした。

ケント家。レックスの提案を受け入れず、銀行から借り入れしたジョナサンをレックスが訪れる。「銀行は返済を待ってはくれません。クラークの未来をつぶすつもりですか。気が変わったらいつでも返事をお待ちしています」と言い残して去る。レックスの誠実さとライオネルへの不信感の間で揺れるジョナサン。

スモールヴィル高校。ラナを見つけたクラークは昨夜の無礼を詫び、ラナを改めてデートに誘うが、今回の件が堪えたホイットニーと週末の約束をしたとラナが答える。クラークは思い切ってラナに「何故ホイットニーと付き合うの」と尋ねる。ラナのこの言葉に、私まで胸が痛くなった。
Lana: Because whenever I need him, he's there. I guess he makes me feel safe.

***

その相手こそクラークなのよ!とラナに教えてあげたくなった最後の台詞。ラナが本当に必要としている時、陰ながらラナを見守り、そして、いつもラナの命を救ってくれているのはホイットニーにあらず、クラークなのだと。
ですが、クラークは真実を明かすことができません。愛しているのに。いや愛しているからこそ。秘密を打ち明ければ、秘密を守り通す重圧と、秘密を守り通すための危険に、ラナを晒してしまうからです。
愛する人にも打ち明けることの出来ない苦悩を抱えた、クラークの辛さたるやいかばかりでしょう。言葉を失い、肩を落とすクラークの姿に、胸を押しつぶされる思いです。

だからこそ、「親友以上なんだけど恋人未満」なクラークとクロエを見ていると、もちろん切ないのだけれど、互いを思いやる優しさに心ほぐされて、私にとってオアシスな関係性です。